2024.10.28
溶融亜鉛めっき加工とは
溶融亜鉛めっき加工は、鋼材の耐食性を向上させるための表面処理技術です。この加工では、まず鋼材の表面を脱脂や酸洗いなどで清浄化し、次にフラックス処理を施して酸化を防ぎます。これにより、亜鉛との密着性が高まります。その後、約450℃の溶融亜鉛槽に鋼材を浸漬し、表面に亜鉛層を形成します。この亜鉛層は、鋼材の酸化を防ぎ、30年以上(条件による)にわたって腐食から保護します。溶融亜鉛めっきは、建築構造物、橋梁、電力設備など、さまざまな用途で広く利用されており、風雨にさらされる屋外や塩害のある海辺などの、特に腐食しやすい厳しい条件下での耐久性が求められる環境で効果的です。また、この加工は亜鉛の保護膜が厚く、メンテナンスの頻度を減らすことができるため、経済的なメリットもあります。
電気亜鉛めっきとは、鉄製品をめっき液に浸して電気を流すことで、亜鉛皮膜を生成させて、防錆めっきを施すものです。薄い皮膜を均一に生成することができるため、仕上がりが美しく、工業製品以外に装飾品にも用いられます。しかし、電気亜鉛めっきは基本的に水分に弱いため、屋外での使用には適していません。風雨にさらされる屋外や塩害のある海辺などの、特に腐食しやすい厳しい条件下では、溶融亜鉛めっきが適しています。
素材 | 鉄 |
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膜厚 | 30~77μm以上 |
ロット数 | 1個から量産まで対応可能(ご相談ください) |
製品サイズ | 2300×700×700以内(DKN処理®の場合、300×300×100以内) |
加工精度 | ±10μm※あくまでDKN処理®をした場合の目安となる数字です |
従来の溶融亜鉛めっきは、耐食性はあるがはめ合いを必要とするなどの表面の均一性が求められる製品などには不向きなめっきとされてきました。しかし、鉄被膜工業所では独自のめっき方法によりその欠点を克服。膜厚が均一で平滑なめっき面が得られるようになり、比較的精度の必要とされる製品においても溶融亜鉛めっきを可能にいたしました。
通常の溶融亜鉛めっきでは、遠心分離機という機械によって余分な亜鉛を除去しますが、穴の空いた部品や複雑な形状をしたものは一部に亜鉛溜りができたり、部品と部品がぶつかりあって傷が目立ってしまうという欠点がありました。鉄被膜工業所は遠心分離機を使わない亜鉛除去を行っているため、亜鉛溜りのない見た目に美しい加工を施すことが可能です。
亜鉛溜りのできやすいボルトやナット、形状の複雑なものは膜厚を均一にすることで、溶融亜鉛めっきの高い耐久性と美しい外観の両方を実現することができます。